妻として、母として、とても勇気づけられるエッセイです。
クリス-ウェブ佳子さん。
雑誌VERYを手に取る機会があると、彼女のコラムを真っ先に読みます。
いつだって、心に残る何かがあるから。
そのコラムがまとまった、彼女の初エッセイ集。
通勤電車の中で読みながら、あまりに響く言葉に、
思わず何度も目を閉じました。
妻であること。
母であること。
自分であること。
その時々の場面を、言葉を介して丁寧に丁寧に表現していくと、
こんな文章になっていくのか。
うっすら感じることを書き言葉にしてくれた彼女の言葉を、たくさんメモしました。
その一部をご紹介します。
親になってから一時的にできなかった僅かなことは、
時が経てば再びできるようになる。
次女が生まれてから10年。
大好きなラーメン屋には子どもたちを連れていつでも行けるようになった。
けれども、些細なことだと思っていた数百のことは、たとえば子どもと一緒に公園で転がり回るというようなことは、その時にしかできない貴重な経験として思い出となる。
期間限定の、些細で素敵なこと。
最後に子どもたちと一緒に滑り台を滑ったのはいつだろう。
思い出せないな。(p.145)
くじけても、くじけながらでも、挑戦し続けよう。
どんなに望んでも挑戦できなくなる日はいつかやってくるんだから。(p.182)
また、彼女のヘアメイクの友人が考える「義務教育」について。
彼の言葉も、とても考えさせられるものがありました。
こちらも残しておきたいと思います。
「勉強も大事。集団行動も大事。
でもね、大人になって一番役に立つのは、どうやったら人に気に入られるかっていう処世術。
先生に、先輩に、友達に、どうやったら気に入ってもらえるかを学ぶのはすごく大事。
僕の言う気に入られるっていうのはね、どうすれば相手に上手く物事を伝えられるかってこと。
何を言うかよりも、どう言うか。
何をするかよりも、どうするか。
アプローチの仕方ひとつで変わってくるの。
時々さ、良いことは言っているんだけれど言い方で損している大人っているでしょ?
もはや大人の世界ではそんなのは通用しないけど、処世術の失敗を繰り返しながら訓練できるなんて、子供の時だけよ。学校だけよ」
怠けることなく、生きていきたい。
日々の場面を、なぜ自分がそう感じるのか、大切にしながら過ごしていきたい。
そして、自分が感じることを、丁寧に言葉にできる人間になりたい。
そう感じた1冊です。
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