片付ける、掃除をする、手入れする。
場所や持ち物を磨き、きれいにする。艶を出す。
そうすると、だんだん気分が晴れやかに、気持ちは前向きになってきます。
なぜ気持ちが前向きなるのか、考えてきた
掃除や手入れが好きで、時間があれば、ずっとしていたいくらいの性格です。
それにしても、なぜ気持ちが明るく前向きになってくるのか、不思議でした。
もやもやしている時でも、何かを磨いていると、少しずつ気分が晴れてきます。
嫌なことがあった日でも、「なんとかなるよね」という気持ちになっています。
他のことも、「きっとできる」という気分にさえなってきます。
なんでかなあ、と思っていました。
気になっていたことを、ひとつ片付けられたから?
目に入る情報がシンプルになって、視界が整ったから?
場所や物が、「いい気」を放ってくれるようになったから?
どれも正解なのだと思いますが、最近、しっくりくる「答えの一片」を、ある本から得ました。
『今日もていねいに。』
今読んでいる『今日もていねいに。』(松浦弥太郎著、PHP文庫)。
『暮しの手帖』の前編集長である松浦さんが綴る言葉は、時に優しく、時に厳しい。
あたたかな眼差しの奥に、厳しい光も同時に存在しているような印象です。
松浦さんの本を読む時には、自然と姿勢を正している自分に気づきます。
「暮らしのなかの工夫と発見ノート」という副題に惹かれ、手に取ったこの本に、掃除をすることについても触れられていました(p.35~36)。
・ 自分たちが今いる場所を大切にしていれば、ささやかでも確実な自信になる
・「すみずみまで毎日掃除している」という努力の事実があれば、小さくても誇れるものができる
・一生懸命に磨き、整理整頓し、毎日掃除を続ける。
これを守っていれば、ごくたまに小さな埃が見つかるとしても、よくある失敗ですみます。「ええっ、その棚は見られたくないな」という部分がまるでないだけで、堂々と振舞えます。
これらの言葉が、「答え」として、今の私にしっくりきたのです。
家や職場でも、自分が今いる場所や物たちは、自分の延長線上にあります。
つまり、自分自身です。
いつ誰に見られても、どこにも恥ずべき場所がない。
場所や物を少しずつ片付け、掃除し、磨いていくことで、隠さなくてよいものになっていく。つまり、隠さなくていい自分になっていく。
それはつまり、裏表のない自分を作っていくこと。
隠さなくていい場所が少しずつ増えることで、気持ちの重りも、少しずつ外れていく。
気持ちが軽やかに、そして「次は何をしようか」とフットワークまで軽くなっていく。
松浦さんの「掃除できよらかさをつくりだせば、だれでも強くなれる」という言葉を、私はそう理解し、気持ちが前向きになる理由のひとつと感じています。
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